2ntブログ
ガールズアンドファイト!!
~Written by Anisan Felix~
地下通路で
「うーーーーん」

携帯を凝視しながら地下通路を通って帰宅する友理奈。
真っ暗な通路をうつむきながら歩く。
メールには明日ファーストキスをしたいという内容。
いつにない積極的な彼にウキウキと気分が高揚していく。

コツン

「ん?」

「あ?」

チュッ♡















「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、!?」」


「「きゃああああ!!?」」


目の前の相手を突き飛ばすと同時に相手にも突き飛ばされる。
お互いに少しの間見つめ合う。
目の前の子はかわいい女の子だ。
もちろん自分には劣るが・・・
目の前の女の子は唇に手を当てている。
そして自分もなぜか唇に手を当てており、そのうちに唇が感じた柔らかい感触を急速に思い出し・・・




杏もまた携帯電話を見ながら地下通路を通っている。
奥手の彼にメールで説得に説得を重ね、ついに明日始めてのキスを約束させることができた。
待ちに待った憧れの日に嫌でも心臓がドキドキした。
しかし、今、目の前にいる相手と唇同士がぶつかり合った感触が唇から徐々に蘇っていく。
少々美形だが自分には及ばない。
そんなことはどうでも良かった。
夢だったファーストキスがこの女に奪われたのだった。
目の前の女の子も怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤に染め始めた。
しかし、自分はもっと赤くなっているはず、なんたってファーストキスが奪われたんだから。

「「ちょっと、私、ファーストキスだったのよ!」」

お互いの声が重なる。
お互いの怒りぶりは尋常ではなく、お互いに鼻先を突き合わせ、額、全身を押し付け合って睨み合う。

友理奈「どうしてくれるのよ!」

杏「それはこっちのセリフよ!あんたがちゃんと前見て歩いてないからでしょ!」

友理奈「携帯を見ながらあんたが歩いてたからよ!私のせいにしないで!」

杏「はぁ!?あんたのせいに決まってるでしょ!自業自得よ!」

友理奈「あんたのせいよ!私はずっと楽しみにしてたのに!」

杏「私のほうが楽しみにしてたわよ!アンタ程度の女とは違うのよ!」

友理奈「あんたみたいな顔の女に言われたくないわよ!ちゃんとよく見なさい!ちょっと!?その顔くっつけてこないで!」

杏「私のほうが数倍かわいいわよ!ほら!しっかり見なさい!きゃあ!?あんたこそ近づけないでこないで!」

お互いに相手に顔を見せつけようとしてお互いに顔を近づけ合いほとんど密着し合う。
対抗心から引くに引けずお互いに顔を寄せ合う。
吐息を吹きかけ合い、再び唇同士が近づいていく。

友理奈(キスしたくないけど・・・引けない!)

杏(キスは嫌だ。けど・・・負けたくない)

友理奈(えいっ!?)

杏(このっ!?)

ぶちゅう♡♡♡

!?


お互いが同時に顔を突き出したため、唇同士が再び、そして先程よりもさらに強くぶつかり合う。
いや、むしろ密着し合っているといって良いだろう。
しかしお互いに顔を離さない。
唇同士をどんどん強く押し込み合っていく。
合わさるくらいに近づいている目と目は相手を射殺すように睨み合っている。

友理奈「んぐぐぐぐぐぐぐぐ!!(さっさと離しなさいよ!)」

杏「んむむむむむむむむ!!(諦めて離れなさい!)」

お互いに一歩も譲らず密着し続けるが、こころなしか唇の感触に声を漏らしそうになる。

友理奈(もう我慢できないぃぃ!)

杏(もう無理いぃぃ!)

はふっ

ぴとっ

口を開いて声を漏らすと舌先同士が触れ合う。
始めてのディープキスで相手の舌の味を味わうと、お互いの舌がさらに相手を求めるかのように蛇のように絡み合う。
快感に負けたくないとお互いに相手の唇を貪り、舌を舐め合っているうちに気づけば相手の唇から自分の唇が離せなくなっていた。
唇を離そうにも舌同士がもつれ合い、唇の柔らかさにやみつきになって唇を吸い合い、お互いの混ざり合った唾液の味を味わう。

朝まで二人の唇が離れることはなかった。







コメント
▼この記事へのコメント<(あれば表示)
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016/07/08(金) 09:08:05 | | by (#) [ 編集]

■ コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL

▼この記事へのトラックバック(あれば表示)